土曜日の朝起きて、新聞を見ると折込チラシに住宅展示会の案内がよく入っているよね。チラシを見ると坪単価2 1万円だとか、限定5棟1200万円だとかいうのがあるんだけど、北米やヨーロッパなんかだと日本よりずっと安い値段でいい家が出来て、日本では同じ値段だとこの程度のものしか出来ないのかとため息が出てしまう。(そのチラシの住宅会社に文句を言っているわけではありません。日本でこういう値段で出来る事にむしろ敬意を表したいくらいです。)
ではなぜ日本の家は高価なのでしょうか。自分の考えですがちょっと並べてみましょう。
材料の流通で経費がかかる。
税金が高い。
大工などの職人の日当が高い(諸外国に比べ1〜2割程度高い、でも腕は世界一)
材料費が高い。(その代わり施工精度はものすごく良い)
経費がかかりすぎる。
日本の気候・気象が過酷なため仕上げに手間がかかる。
と、そんな所かと思うけれど細かいところまでいうといくらでもあると思う。一つずつ見ていくと、材料の流通は、(山の木から言うときりが無いので少々省いて)製作工場からメーカーへ、そして卸問屋、建材屋、最後に工務店へというふうになっている。これよりももっと複雑な流通経路になっているものもある。その流通一つ一つに経費がかかるから値段が高くなる。(もちろんその分良い製品になるという事もある。) 税金に関しては、家を買うときの住宅取得税などの税金等の他に、家を建てる会社にも法人税など、さらに材料を作っている会社も税金を払う義務があるから、かなりの金額になってしまう。
日当が高いことは日本は世界一、人件費が高い国なのだから必然的にそうなる。
材料費が高いのは、たとえばボード1枚を取っても、欧米では4’*8’(1200mm*2400mm)の大きさで統一されているのに、日本では3’*6’・1M*2M・4’*8’等いろいろな種類のものを扱わないといけないからメーカーもそれを作る機械を買わないといけないし、建材屋さんもそれをストックするだけの敷地、倉庫が必要になる。その設備投資分が材料費にかかってくる。でも日本の製品は精度が良くて、タイルや、床フロアーは、平滑でまっすぐだし見栄えもとてもきれいなんだ。他の国のものはゆがんでいたり、継ぎ目がきれいではないものが多いんだ。(もちろん日本のものより良いものもある) あとサッシだと欧米では何種類かのサッシを組み合わせてひとつのサッシにするのだけれども、日本では大きさによってひとつひとつのサッシを作るんだ。だから日本のサッシカタログは欧米の十倍以上の何百ページにもなる。でも日本のサッシは引き違いなので開放感や換気等を考えると欧米のものより断然良いと思う。
経費がかかりすぎる事は、税金、人件費、土地代等が高いことでおわかりだろうと思う。
最後の気候・気象については、日本は地震、台風がくるし、世界的に見ても雨が多い地域だから建物にとっては過酷なところなんだ。例えばアメリカの家をそのまま日本に持ってきても僅か数年で傷んでしまう。(輸入住宅などは日本向けにどこか変更しているはず)それに日本の法律(建築基準法等)も厳しいから材料、手間も多くなる。
ちなみにカナダでは、(確かそうだったと思うけど)国が大工さんを雇って(だったと思う)いるので、余計な経費がかからないんだ。国でやる事が必ずしも良いとは限らないけれども、悪徳業者はいないから安心して家が建てられるだろうと思う。
これからは、大工の賃金単価も下がってきてどこの工務店も値段の叩き合いになるのではないでしょうか。おそらく今の大工たちも賃金はかなり安くなって生活も厳しくなっているはずです。建材も中国などの労働単価の安いところで生産されていくのではないかと思います。そうなれば家は安く買える(劇的に安くなるとは思えないけれども)かもしれない。でもそれが個人、そして日本にとって将来良い事になるのかは疑問であります。